GAS METER
ガスメーターとは
ガスメーターとは
みなさまの暮らしにかかせない「ガス」。安全に安心してガスを使っていただけるよう陰で支えている機器が"ガスメーター"です。ガスメーターにとって大切なことは、どのような場所に設置されても「安定稼働」を続けながら「正確な計量」をし、そして異常なガスの使用状態の疑いがある時や大きな地震を感知した時などにはガスを「確実に遮断」するということです。
ガスメーターは名前の通り「使用したガスを計量する機器」で、計量法※1 という法律で規定される特定計量器※2 です。計量法により「正確な計量」義務の遵守と10年または7年の有効期限が規定されており、ガスメーターは有効期限ごとに交換されます。つまり法律により「正確な計量」と「安定稼働」が求められています。
ガスメーターには多くの種類があります。 ガスの種類で「都市ガス用・LPガス(プロパンガス)用」や、計量方式の違いでは「膜式・超音波式・回転子式・タービン式」などがあります。
※1 計量基準の統一と計量の正確さの維持を目的として制定された法律。
※2 タクシーメーター、温度計、電力量計、水道メーター、ガソリンメーターなどの18品目。
膜式マイコンメーター
通信機能付き膜式マイコンメーター(左・中央)
無線機付き膜式マイコンメーター(右)
ガスは気体のため目に見えず、形も定まっていません。したがって、気体の体積を量ることは容易ではありません。ガスメーターの中で「膜式」は1840年代にイギリスで初めて原型が考案されました。ガスを膜式ガスメーター内の部屋に入れ、実際に部屋に入ったガスの体積を計量することから「実測式」といわれるこの方式は「正確な計量」に定評があり最も普及しています。
膜式ガスメーターの計量原理を簡単に説明します。可動膜で仕切られたガスを入れる部屋の計量室、クランク、バルブで構成されています。ガスが一定容積の部屋の中に流入し、充満した後排出するという動作を二つの部屋(図の場合A室とB室)で交互に繰り返し連続的に動くように考えられた装置です。連続的に回転する動作をカウンターに連結し計量していきます。つまりガスメーターはガスの圧力を利用して動いているのです。
A室・B室の圧力差で可動膜が移動し、バルブが動くことで排気吸気が切りかわる
電気メーターの場合、計量する電気"メーター"と遮断する"ブレーカー"は別々の筐体です。しかしガスメーターは計量機能「メーター」と保安機能「ブレーカー」、この2つの役割を1つの筐体で担っています。
ガスメーターの大切な役割の一つは「正確な計量」を行うということです。そして異常を感知したらガスの供給を「確実に遮断」するという役割もあります。「一定量のガスが所定の時間以上流れ続けている疑いがある」など異常な使用状態を感知したときや、大きな地震を感知した際にはガスメーターのブレーカー機能が発揮されることが大切です。
マイコンメーターは、異常な使用状態の疑いや大きな地震を感知した場合にはブレーカー機能が働きガスを遮断します。遮断後メーターを復帰するときには十分に注意することが必要です。特にガス臭い時は、復帰操作は行わず窓や扉を開放してから都市ガス会社(ガスを契約している会社)にご連絡ください。
ガスメーターの復帰方法は、ガスメーターの機種によって異なります。復帰の方法は契約している都市ガス会社のホームページ、または「日本ガスメーター工業会」ホームページをご覧下さい。
ガスメーターは計量法の検定有効期限内に取り替える必要があります。検定有効期限は小型・中型の都市ガスメーターが10年、大型の都市ガスメーターは7年となっています。取り替えは「正確な計量」や「確実な遮断」を維持するために必要なことです。
都市ガスメーターは、同一図面、同一仕様で製造しています。再生品製造も同一仕様にすることで製造企業問わず再生ができるようになっており、当社でも小型・中型・大型とも都市ガスメーターを再生しています。小型の都市ガスメーターの場合、検定有効期間10年が終わると交換回収ののち、製造メーカーで新品同様に再生され出荷という流れになります。このサイクルが2~3回行われ(※ガス会社によって異なる)、通算30~40年使用されたのちに完全廃棄となります。
都市ガスメーターは再利用(リユース)することにより、新規製造から完全廃棄されるまでのガスメーターのコスト全般を抑えています。膜式マイコンメーターも同様に再生することができ、ライフサイクルコストの低減を可能にしています。
さらに、この再生工程を応用すると膜式マイコンメーターの上半分の取り替えのみで「通信機能付き膜式マイコンメーター」及び「無線機付き膜式マイコンメーター」にでき、コストを抑えた製造に対応できます(詳しくはこちら)。